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『こめえるす壹號』

 サンボーホールで街の草の加納さんから「出てきましたよ」と手渡されたのがこちら。

 『こめえるす壹號』(昭和二十九年十月十八日)百部限定私家版、和紙の袋とじ。これについては、『海鳴り29号』掲載の山田稔さんの「「季節」を出していたころ」に、同人誌『季節』が三号で終刊になった後のこととして出てきます。

≪卒業が近づいたころ私は武田忠治に声をかけて、あらたに同人雑誌をくわだてた。しかし同人にふさわしい書き手が集まらず、いたずらに誌名を考えたりしているうちにこの話は流れてしまった。

 一方、「サンボリスト」たち、すなわち杉本秀太郎、本田烈、塩津一太、筏圭司らは「こめえるす」という当時としては贅沢な詩と評論の同人雑誌をだすが、これは一号で終わった。≫(「詩と評論」とありますが詩のみ)

 また、杉本さんの自筆年譜(『神遊び』)、昭和二十八年(二十二歳)に大学を卒業した次の二十九年の項に、

≪四月、関西日仏学館にかよってフランス語をやり直す。シャルル・グロボア館長による西洋美術史の講義、伊吹武彦講師による仏作文。十月、同人誌「こめえるす」第一号に詩二篇「彼方熟るるものを呼ばん」「詠唱」。同人は筏圭司、塩津一太、杉本、本田烈。一号のみで終わった。≫とあります。その二年後の三十一年にあらためて杉本さんは京大大学院に入ります。

 もう数年前になるでしょうか、お店で見せてもらったことがあったのですが、いつの間にか行方不明になっていたものがこのたび出現したのでした。

 ところで、この「こめえるす」は何語?仏語でしょうか。